taro kimura

金属をグラインダーなどで切削研磨すると切り屑が飛散します．このとき金属片は摩擦熱と酸化熱で熱せられ，人間の目に火花として映ります．火花は一直線ではなく、弾けるように複数回分裂し，複雑な形となります．世の中には，ガラスが割れる，水や金属の微粒化など様々な分裂現象が存在します．しかしいずれも1回，多くて2回しか分裂せず，金属火花のように連鎖的に分裂するのは非常に珍しいです．

しかしながら，この火花の分裂現象はなぜ起こるのか，といった根本的な問題に関してはいまだ解明されていません．

これらを解明することができれば新たな人類の知見になります．工学的にも，3Dプリンターに使用される金属微粒子製造の効率化や，火花引火による爆発・火災の防止など，応用できる可能性があります．

そこで本研究では，金属火花の分裂現象を観察，数値化し，表現する数理モデルを考え，分裂機構を明らかにすることを最終的な目的とします．

Achievement

2020年5月21日：

火薬学会, "金属火花の二色温度計測と電子顕微鏡観察による分裂機構の検討"

2020年11月19日：

火薬学会，”高速赤外線カメラと軌跡計算を援用した純鉄火花の非定常温度解析 ”

　　　 火薬学会優秀講演賞 受賞

2020年12月18日：

日本液体微粒化学会 , ”炭素鋼火花の分岐機構に関する考察 ”

2021年 5月 ：

Science and Tech. Energetic Materials, "Analysis on unsteady thermal behavior of ground iron sparks"

2021年 5月21日：

火薬学会，”軌跡計算による炭素鋼火花の分裂機構の検討 ”

　　　　　　　　　　　火薬学会優秀講演賞 受賞